君にまでいつけない     黒田 マサムネ







雨がしとしとと降り注いでいる中で彼は静かに立っていたから、
そっと名前を呼んだ。
「政宗殿。」
しかし、返事は無く幸村の声は雨の音に消えた。
「政宗殿?
 傘も差さずに何をしておられるか。」
この雨を防いで彼の所まで行ける術が近くに無く
結局自分も濡れて政宗のもとへ歩いた。
自分が雨に濡れる事を気にしているのではなく、
彼がどうしてこんな雨に打たれているのかが気になった。
近付いて顔を覗いたが、長い前髪で表情が読み取れない。
「さぁ、部屋に戻りましょう。お風邪を引かれまする。」
「いい。」
首を弱弱しく振って断る。
「…何か…………如何された…?」
いつもの彼らしくなくて、幸村は不安になった。
何か悪い事でもあったのだろうか。
何か嫌な事でもあったのだろうか。
政宗がゆっくりと顔をあげてこちらを向いた。
それは、
笑顔だった。
「何でもない。」
しかし、その笑顔は作られたもので
無理をしているのが伝わって胸が苦しくなる。
彼を初めて見る者やよく見ていない者には伝わらない
綺麗な完璧な作り笑顔。
幸村も初めは騙されていた。
だが、今は騙されない。

「政宗殿…。」

鎧を外した政宗の体は意外に細く無駄な脂肪がない。
だから、彼よりやや背が高い幸村の腕の中に納まってしまう。
抱き締められて、政宗は引き離そうと手に力を入れたが
それもすぐに解かれていった。

「……ばか、お前まで濡れる。」

それで体を引き離そうとした訳では無いのは解ってる。

「…もう、すでに濡れているでござる…。」

冷えた肌が幸村の温かい肌に触れてじんわりと温かさを取り戻し始める。
「……。」
政宗が、ここで何をしていたのかが解った幸村も
密かに涙を流した。

一人で啜り泣く彼を支えてやる事が出来ない。
強く、強く抱き締めてやるにはまだ弱い自分の腕。
頼りない、自分の存在。
追いつけない彼の背中が遠過ぎて


不甲斐無い自分に涙が流れた。

































言い訳。


しめっぽぉぉぉぉぉぃ!!!

影で佐助が
「昔のドラマみたい…」
と思いながら雨の中でいちゃつく二人を見つめているんだろうな。

イメェジは、西川兄貴の「夢●雫」と「THUN●ERBIRD」です。
雨は好きなんですが、実際降っちゃうと頭痛くなっちゃう人なんで複雑です。



あ、今自分のPN見て思ったけど、このジャンルやっちゃったら
結構恥ずかしい…!






2006.3.2
















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