はめられた。 黒田
ちかり
と、一瞬だけ光に反射して何かが光った。
エドワードは目を細めて光った場所を見る。
それは、
ロイの左手からだった。
薬指に
はめられた銀色の指輪。
いつの間に、この人は。
「なぁ、相手は誰?」
聞かなくてもわかる事だったが、
この人の口から聞きたかった。
自分の大事な人を先に掴んだ人の名前を。
「さぁ、誰だと思うかね。」
いつもの意地の悪い笑みでは無く、
どこか幸せそうに笑った。
こんな表情をさせられる人。
こんな表情をさせられて、
あのロイの薬指に”証”を付けている。
はっきり言って
相当、羨ましい。
自分だって、もう随分前からこの人を想っている。
年が離れているし、
身長も低い。
第一、彼から見れば
自分は、まだまだ子供だ。
でも、あと少しすれば、チャンスくらい巡ってくるかと思っていた。
その前に、まさか先を越されるとは。
「あー、隠すんだ。」
「隠しては、いないさ。」
「じゃあ、教えてよ。」
「そうだなぁ…。」
苦笑した所で、後ろからノックの音のあとに、
失礼します、という声。
振り返ると、そこには、ロイの部下ジャン・ハボックがいた。
「大佐、そろそろ、お時間で。」
「あぁ、わかった。
じゃあ、この小さなお客さんを外までお送りしてくれないか?」
「小さいってゆーな。」
「は、了解しました。」
”小さい”という言葉に目敏く返してみるが、
やっぱり軽く笑われる程度。
「さ、行くぞ。鋼の。」
「あんたまで、それで呼ぶのかよ。」
ハボックに軽く頭を撫でられて、
小さく舌打ちをしながら椅子から立った。
「大佐ぁ、今度はちゃんと教えろよ?」
ドアまで歩いて、首だけ軽くロイに向けて言った。
こんなにしつこくしなくても、相手は解ってる。
「あー、いつかな。
ジャン、あとは頼んだぞ。」
鬱陶しそうに笑いながら、部下に言い付ける。
部下も部下で、咥えていた煙草を左手に持って笑った。
「あぁ、わかりました。
あ、今日は少しだけ遅くなるんで、
メシ食うのちょっとだけ待ってて下さいね、ロイ。」
「ちょっとだけならな。」
「ご勘弁を。」
何だよ、二人して。
惨めじゃねーか、俺。
ドアを閉めてから、
ハボックは左手に持った煙草を再び口に持っていった。
ちかり
一瞬だけ光った。
それは、ハボックの左手の薬指にはめられた
何の飾りも無い銀色の指輪からだった。
エドワードは、
目を細めて、少しぼやける視界で光を見た。
言い訳。
なんか、エド可哀想…。
ゴメン、エド…。
うちのエドロイは片道っぽいです。エド→ロイ。
エドもエドでロイに対して本当の恋なのか、よくわからない所です。
ある日「あ、これきっと恋なんだ。」
と思い込んでしまっただけなのかもしれませんし。
それにしても、ついにうちのハボロイ夫婦は
人前でいちゃつきやがりましたね。
こんなの、ロイじゃな…!!!!
黒田 (旧:神崎 楓)
2003.12.23
(移動:04.10.31)
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