それから。 黒田
ちかり
と、一瞬だけ日を反射して光を放つ指輪。
ロイは、左手を窓に向けて伸ばした。
薬指にはめられた銀色の何の飾りの無い指輪。
自分の愛する人との約束。
こんな事をするなんて、とうとう自分もおかしくなったか、
とも思った。
でも、
必要だった。
これからの未来の為に。
これからの自分と彼の為に。
何が起きても、もう二度と後悔したくはない。
ふと、先程のエドワードを思い出した。
二人の会話を聞いた時の
あの顔。
「…知っていたさ、キミが私を想っていた事なんて…。」
小さく吐くように零れた言葉は、ゆったりと空気に溶けた。
私には、それに応えてやれる事は出来ない。
いや、応えてやれる資格なんか無い。
汚れた、軍の”狗”として、
いつかは叶えてみせる野望を胸に抱き
それを共に叶えたい相手を側に選んだだけの事。
そう、キミは私なんかに捕らわれてはいけないんだ。
もっと、
自由に…。
「…例え、一緒になったとしても、
お前の側では、私は幸せそうに笑ってはやれないよ…。」
もう、幸せの場所をみつけてしまったから。
銀色に光る指輪に軽いキスをする。
まるで、恋人や家族、とても大事な人にするような
愛しさを籠めたキス。
これ以上無いくらいの、幸せそうな表情で。
言い訳。
「はめられた。」の続きロイ編だったのですが、
やっぱり、それでもエド可哀想…。
ますますロイが乙女化していくのは何ででしょうか…。
この話で、
ヒューズがロイに対して想っていたからこそ選んだ道と
ロイがエドを想っていたからこそ選んだ答えが
同じになるようにしました。
愛の種類は違えど、想いは一緒なのです。
あぁ、なんかこう、文にするのは難しくて…。
伝わったらいいな…。
そんでもって、ハボック編。
黒田 (旧:神崎 楓)
2003.12.24
(移動:04.10.31)
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